カテゴリー:ご挨拶 更新日時 2024/12/27
数年前から厚い厚い「犬めくり」という日めくりカレンダーを使っている。毎日いろいろな犬のかわいらしさに癒やされているうちに今やすっかり薄っぺらくなって、もう少しで一年が終わるのだと思い知らされる。
激動の2024年だった。
2002年11月に現在地に引っ越してきて20年余り、老健になって12年となる今年、老健を廃止するという大きな痛みを伴う決断をした。正確に言えばその判断は遡ること3年前に行い、町へのご相談を含め熟慮に熟慮を重ねて決断したことだったのだけれども、入所されている方やそのご家族、スタッフとそのご家族のことを思うと身を絞られるような日々でもあった。
主任を始め老健のスタッフたちはこの事実に思うところは多々あったと思うけれども、粛々と利用者さんたちの日々の介護を、受け入れ先への移動のその日まで真摯に勤め上げてくれた。また、利用者さんたちの受け入れに尽力してくださった、
足寄町国保病院、足寄町立特養あゆみの園、老健かみしほろ、老健かけはし、老健アメニティ本別、老健アメニティ帯広、帯広第一病院、帯広西病院、音更病院、特養しらかば苑の関係者の皆様にはあらためてこの場を借りて心よりお礼を申し上げたい。
大過なく3月31日に老健は静かに幕を閉じることができたのはこれらの方々のおかげで、私にとっては深い悲しみと痛みの中での大きな支えであった。
そして始まったクリニックの日々。老健がなくなった分のエネルギーの全てを注ぎ込んで古希のプライマリケア医としてのリ・スタート。長い長いグラウンドを一周して私は医者になったときの原点に戻ってきた。患者さんのより近くでより心に寄り添う医療実践の意味が見えたのだ。
長い医者人生の中で不用意な言葉で患者さんを傷つけたこともある、正解を求めすぎて嫌われたこともある。良かれと思ったことだから正しいわけでもない。私が「医者」である前に「人」であるように、患者さんもまた「患者」である前に「人」なのだというシンプルな事実を当たり前のように診療に生かせるようになるのに40年という時間が必要だったのかもしれない。
患者さんには外来受診することが楽しくてほっとすること、元気になれること、そしていくつになっても未来がもっと豊かであることを互いに信じられるような時間になれば良いと願っている。生きていく日々は毎日が楽しいだけではないからこそ、ホームケアクリニックあづまに来るともうちょっとがんばってみようかなとか健康に良いことをしてみようとか、いや何もできなくてもいいから今日一日を生きてみようかなと思えるような「場」であれたらと思っている。
もう少しで新しい年が始まろうとしている。新たな年が穏やかで豊かでに日々でありますように。心からの感謝と共に、ありがとうございました。
数年前から厚い厚い「犬めくり」という日めくりカレンダーを使っている。毎日いろいろな犬のかわいらしさに癒やされているうちに今やすっかり薄っぺらくなって、もう少しで一年が終わるのだと思い知らされる。…(続き)
平成14年11月病院を新築移転して新たな歴史を刻んでから20年余り。 平成24年に病院を改組して無床の在宅療養支援診療所と50床の老健へと転換して12年。ちょうど干支が回ったところで老健を廃止…(続き)
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