カテゴリー:地域で医療する楽しさ 更新日時 2011/05/20
めったにないことだが、病床が満床で他の病院に患者さんを頼むことがあった。
Aさんは転んで、腰が痛くて動けないとのこと。
「少し待ってくれたら、ベッド空くんだけど・・・・」
「痛くて痛くて我慢できないから、どこかにとにかく入院させてくれ~~」
というわけでお願いしたら気持ちよく受け入れていただいた。
それから1ヶ月、良くなって退院の運びとなったらしい。
お願いした病院からお手紙が来た。
『入院してから2週間は我妻病院に帰ると言って聞かなかったけれども、そのうち慣れたようです』とのこと
「我妻病院に帰る!!」
「我妻病院に行く」ではなくて「帰る」と表現したおばあちゃんの気持ちが嬉しくて、ちょっと胸がきゅん。
地域で医療をしていて嬉しいのは、こんな患者さんの生な声が聞けること。そして、患者ー医療者という枠組みを超えて、信頼しあえる関係があること。
「帰りたい」と思われる病院になるまでには、歴史も必要だった。そして、何よりも患者さんを大切に思うスタッフが必要なのだ。
「仕事だから」はもちろんだけど「地域の大切な隣人だから」
その気持ちを持って医療や介護に取り組んでくれるスタッフ在っての
「帰りたい病院」なのだと思う。
胸の中がほんわり温かくなる、一言でした。
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