カテゴリー:日々清々 更新日時 2010/11/30
最近。私のハマっているものは「嵐」と「瞑想」です。
昨年の「死の臨床研究会」で高山市にある千光寺住職の大下大圓先生の指導するスピリチュアルケアとセルフリラクセーションの講義と実技のワークショップに参加しました。
大下先生の指導の下、短い時間ではありましたが、瞑想を体験しました。これまで催眠術にもかかったことのない、どちらかというと疑い深い私なのに、すんなりと瞑想に入れて、さらには日頃意識しないでいた自分の心の痛みのありようが見えてきてびっくりしました。
ただびっくりしたで終わらないのが、私の良いところ。早速、感想メールを送らせてもらいました。
すると、とてもご親切なお返事メールをいただき、北海道に来ることもあるとのこと。では、その時にはうちの病院のスタッフにもぜひご指導を・・・とお願いして、なんとスピリチュアルケアの院内学習会が実現したのです。
大下先生は12歳でいのちについてを考え、自ら望んでお寺に修行に入られた方です。お坊さんになってからも、葬式仏教だけではだめだ、ということで、飛騨 市の病院などでボランティアでスピリチュアルケアを実践されています。現在も指導的に活動を続けられているだけではなく、京大で研究もされているとのこと で、実践を通じた深いお話しを誰にでもわかるようにお話しして下さいました。
「スピリチュアルケア」というと最近江原さんなどで有名 になった「スピリチュアル」とどこかで、つながっていそうで、医学の世界ではうさんくさいと感じられる方もおられるかもしれません。が、ターミナルケアを 実践している人たちの間では、「体の痛み」「心の痛み」と同じくらいに重要視されているのが「スピリチュアルペイン」と言われているものなのです。
というわけで、私達の病院のスタッフにとっては、とってもタイムリーな勉強会でもありました。
その人の存在の価値が問われるような「いのちの危機」にその人自身でさえも見失いがちな「存在の価値」を支えること。この間の学びで私の理解したスピリチュアルケアの定義です。
がんだけではなく、たとえば脊椎損傷のような身体の深刻な障碍など様々に困難な場面で、人は自分の存在の価値を自分に問い、そこにどうしても、プラスの答えを見いだすのが困難な時があります。
人間関係に失敗して、激しく自尊感情が損なわれることもその一つかもしれません。自分は生きている価値はないのではないだろうか・・・・そう考えて死を選ぼうとする人もします。
それを支えることは、ケアする側の人間も自分の存在意味を問われることでもあります。なので、スピリチュアルペインやケアについて学ぶと同時に、自分で自分をリラックスさせ、できうれば、自己洞察もできるような瞑想はとても意味のあることだと感じました。
実際、翌日に帯広で行われたセミナーにも参加し、私は深い瞑想状態を得、その中で、数年来の私の課題の解決を見い出すことが出来たのでした。
不思議な体験でした。洞察瞑想では、その課題と向き合うことから逃げようとしている自分を感じ、その時点では苦しくて、それ以上は進めませんでした。
帯広からの帰り道、眠くて眠くてたまらなく、瞑想の効果で、久しく感じたことのないリラックス状態にいるのがわかりました。
家に帰っても体がしゃんとしないくらいぐたぐたしながらご飯を食べ、そして、深い深~~~い眠りに入りました。
朝起きると、今まで感じたことのない肩から首の楽さ加減と目覚めのさわやかさと共に、自分の課題に対しての答えがす~~~~っと見えてきたのです。明るい広い道が眼前に拡がるような感じでした。
それ以来、私は私の持っていた前向きさを取り戻しつつあります。考えが後ろ向きになったり、人に対して必要以上に求めることがなくなりました。
この感覚を忘れないように、毎日寝る前に大下先生の瞑想のためのCDを聞いて、リラクセーションのための瞑想を30分くらい行っています。おかげで、時々お世話になっていた眠剤は全く必要としないで眠れています。
人生の課題を抱えている人だけではなくて、医療という人のいのちや感情に関わることをする人たちは普段にストレスにさらされています。多くの医療者にお勧めしたいと思います。 詳しく知りたい方は「飛騨 千光寺」のHPをご覧になってみて下さい。
そして、私を元気にしてくれているもう一つは、あの「嵐」。
息子のお嫁さんに事前に渡されたCDとDVDで十分予習をして、コンサートに連れて行ってもらいました。
楽しかった!! これまで経験したことのない素晴らしい開放感がありました。
以来、台所仕事のBGMは「嵐」です。
「嵐」を聞きながら台所をすると仕事は楽しいし早くなるし、リズムを刻むために体は余計に動かすし、で良いことだらけ。自分でもCDを買い込み、テレビは欠かさず見て、にこにこしています。
今まで、中学生の頃でさえ、なにかにハマることがなく、グループサウンズもアイドルも横目で見てきたのに、50歳を超えてこんなに楽しめるものに出会えるなんて、これまた、人生ってステキだなと感じています。
今しばらく「瞑想」と「嵐」に夢中でいたいと思っています。
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