カテゴリー:地域で医療する楽しさ 更新日時 2009/12/30
2009年もすでに終わろうとしている。
2009年は我妻病院の覚醒の年だったように思う。地域に根ざし、地域に住む人の心に寄り添う医療を目指して展開してきて20年余。改めてその「意味と価値」を認識したという意味での覚醒。
池田裕次が足寄に赴任してきてから展開してきた医療活動ー高血圧勉強会・糖尿病勉強会(後に健康教室となる)、餅つき大会、医療講演会ー
訪問診察、在宅支援、病棟での様々医療実践ーは当初はスタッフの理解を越えており、多くの困難の中起ちあげられてきた。そして、何度も何度も躍進と停滞とを繰り返してきた。
一番辛かったのは、同志とも言えるスタッフに去られた時。自分たちの目指しているものが正しいのか正しくないのか、共に働くスタッフを幸せにできない医療があり続け得るのか・・・・。
そんな時を経て、共に悩み、苦しみながら歩んできた仲間としてのスタッフが、今いる。共に成長し支え合ってきた同志としてのスタッフが、今いる。
そして、躍進と停滞をただ、繰り返してきたわけではない。その中で一人一人が悩み、苦労しながら、成長し、達成を味わってきたのだ。
昨年から、目標管理の考え方を病院の運営に導入してきた。病院というのはある意味個人の力の総和が病院の力となる業種である。営業成績をのばすとか、数値 目標を掲げることは目標としては相応しくないが、個々人の成長を部署の成長とし、病院の成長まで直結できるように、あるいは病院の理念がスタッフの隅々に まで行き渡って、平均的により良いケアが実践できるように、と仕組み作りを目指してきた。
これまでの我妻病院はどちらかと言えば、先頭と末尾の 長い縦長の集団だったけれども、それだと先頭は疲れてしまうし、末尾はついて行けずにいつまでも成長できない怖れがあった。その集団をコンパクトな楕円形 にし、チームの一体感と成長を確認しあえる、チームワーク形成が目標だった。
もちろん、その先には我妻病院の20年の積み重ね、理念を就職早期の人にも理解してもらうというねらいもあった。
そして、社員総会での方針を部署に下ろしての、目標設定、中間評価、最終評価は、この2年間で素晴らしい進化を遂げたと思う。
個々のスタッフが内に秘めていたそれぞれの理解や思いや成長が形になり、言語化され、共有された。
その成長と成果に心から感謝と尊敬を感じている。それは、単に「成し遂げた」という点だけにではない、その心底に患者さんへの思いやりやプロとしての誇りがあるから。
彼らと共に仕事のできることを心から誇りに思う。医療は医師や看護師だけがになっているのではない、掃除のおばさんや事務スタッフや調理のおじさん、ケア スタッフ一人一人の総和で成り立っている。彼ら一人一人の苦労と成長、悩みと達成の喜びを、今は素直に喜んで今年を終わりたいと思う。
来年はデ フレや不景気が地域をさらに襲うであろう。地域の人たちを取り巻く困難さがさらに増すことが予想される。それは、病院にとっても大きな困難となると思うけ れども、彼らとならきっと乗り越えられると信じて、新たな年を迎えたいと思う。思いは伝わり、願いは叶うと信じて。
今年一年ありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。
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