カテゴリー:地域で医療する楽しさ 更新日時 2007/09/27
昨夜、仕事が終わっての5時から、「身体拘束廃止推進委員会」主催の勉強会が行われました。
身体拘束とは・・・・私の定義は「本人の意志に背いて、本人がしたいことを出来ないようにすること」
かつて、医療や介護の現場で、職員の都合のために認知症のお年寄りをベッドに縛り付けたり、車いすから動けないようにY字ベルトで車いすに固定したりする ことが普通だった時代があります。歩行の不安定な認知症の方が、歩けたときの記憶を元に歩こうとする。当然のように転びます。転んで骨を折ったり脳挫傷に なったり、と思うとスタッフは動いてほしくないのでつい抑制をしてしまいます。多くの職員を配置しても運営できるほど介護報酬は高くはありません。安全が 第一だという思いがあります。
でも、してはいけないことは、していけないのです。おむつをいじるから、つなぎの介護衣を着せる。痒くて掻くから、胃に入っている管や点滴を抜くから手にそれようのミトンをはかせる。みんな身体拘束です。
ベッドから落ちたら不安だから、と本人が望んでも4本の作でベッドを囲ったら身体拘束で違反になります。
そこまでいくと、現場は混乱します。本人にとってよかれと思うことと法律で決まっていることの間に矛盾が生まれてしまうのです。
意識がほとんど無く、無意識に医療上の大事な管を抜くことを防ぐためのミトンも、本人が苦痛ではないと思われることも、してはいけないと厳しく規定されています。どうしたらいいのでしょう。
そんな悩みを語り合い、患者さんにとっても最善を、自らの頭で考え心で感じる、語り合う、思いを共有する。多くのスタッフが集まりグループワークをし、熱 い会となりました。準備の委員たちの苦労に頭が下がると共に、みんなで考えることの出来るチームワークを持てて幸せだなと感じました。
患者さんたちの人権が守られ、誰もがその人らしく最期まで過ごせる、そんな病院作りをし続けたいと思いました。
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