カテゴリー:地域で医療する楽しさ 更新日時 2007/02/10
とある会社の採用面接のテーマは「貴方の人生にタイトルを付けるとすれば?」だというTVの情報を得て、スタッフとの飲み会で聞いてみました。
PTのSさん「探求かなあ」
確かに彼の患者さんや仕事に対する姿勢は求道者のそれに近いものがあり、そのひたむきさは羨ましくもあり、ときどきそこまで自分を追いつめなくてもと思わ れることもあり。じつは、そんな彼と話し合った昨年来の仕事におけるテーマは「患者さんの責任を引き受けない」というものでしたから、全くうなずけるテー マでした。
それは、私達の病院の「医療者は限りなく患者さんの心に寄り添うことを良しとする」ことと矛盾するように思われるかもしれませんが、 実は対人関係を職業の中心とする医療者にとっては両輪のようなものだと思っています。最終的な決断とその結果を引き受けるのは患者さん自身です。そこを踏 み越えることができないことを十分に知った上で、より良い決断ができるように支援することこそが、患者さんに寄り添いながら行う医療なのだろうと思ってい ます。
さて、各人各様に自分のタイトルを語ったわけですが、看護師のSさんは「最近は「感謝」かな」とうれしい涙目。様々な悩みを乗り越えて、Sさんは自分の居場所を確立しつつあるように思います。
長い人生を歩んでいく中で、自分本来の輝きを失うことがあります。それは無くしてしまうというよりも様々な状況や自身の心のありようで曇ってしまうことなのですが、輝けない自分を抱えていることはなによりも本人が辛いものです。
良い医療を行うためにはスタッフの成長は欠かせません。未熟でも自分らしさを発揮できて、成長できるそんな場を作れたら、というのが今年の私の目標の一つ でもあります。そして、それは何よりも未だ発達途上にある自分へのエールでもあります。一歩でも前に!!がんばらなくっちゃ・・・・
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